見たもの:「森の王 森の声 〜遊動の民ラウテ〜」

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BSプレミアム 2023年3月25日(土)午後7:30~9:00

森の木を切って木工細工をしながら移動する民族ラウテ。

無計画な開拓などで森林破壊が進んだため、住民が地域の森の管理をする制度ができるが、管理下の森だと知らずにラウテが木を切ってしまい住民たちと軋轢が起こる。結局、自治体の関係者? が間に入って解決するのだけど、その人曰く、「ラウテが木を切っても、その森に戻ってくるのは十数年後で、そのころには木を切ったところに新たな木が生えている」

つまりラウテは、自然のサイクルを理解し、そのサイクルの一部として存在している。彼らが昨今の“意識高い系”の風潮に感化されたはずもなく、無意識にサスティナビリティを実践し続けてきたのだ。

 

「ヒューマニエンス 40億年のたくらみ」(BSP(火)22:00)の「“絶滅人類” ホモ・サピエンスを映す鏡」で、「ホモ・サピエンスはその土地の獲物を捕り尽くして次の場所に移動していった」と言われていて、ホモ・サピエンスは生まれながらに欲深い生き物なんだと思っていたのだが、農業や漁業や林業などで生計を立ててきた人々はラウテのように、「資源を取り尽くさない」という暮らしを続けてきている。一方、石油や金属などはあるだけ取り尽くすというイメージがあるので、こういう産業が始まったころに、眠らせていたホモ・サピエンスの本能が目覚めてしまったのか。

 

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サスティナビリティを最も端的に表していると思う言葉、「半分はわたしに、半分はあなたに」。

この言葉が出てくるドキュメンタリー映画「ハニーランド 永遠の谷」。

こういう田舎暮らしをしたいとはまったく思わないのだけど、全人類がこういう意識で生活したら、全体の幸福度が上がるのではないかと思ってしまって苦しい。

 

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どの作品だったかが曖昧なのだけど禅問答が出てくる韓国映画で、「大きな皿を饅頭でいっぱいにしたい。どうしたらいいか」という問いに、「皿があるから欲が生まれる。そんな皿は割ってしまえ」と答える場面があったのだけど、この映画を観て以来ずっと具体的に何をしたらその皿を割れるのかと考えている。